【SF万華鏡】AIが売れ筋予測、タイムリーに商品補充。ソフトバンク系VCも注目のスマート自販機「「豊e足食」

2022.4.4
  • 「豊e足食」はSF傘下の豊宜科技有限公司(深セン市)が2017年に立ち上げた食品自動販売機による小売りサービスです。サービス名の由来は“豊かな生活”を意味する熟語「豊衣足食(ほういそくしょく)」に由来します。設立当初は大都市のオフィス街を中心にサービスを展開し、オフィスワーカーに軽食、スナック菓子や飲み物などを販売していました。徐々に全国の行政機関、学校、病院、工場や観光地などへと提供エリアを拡大し、現在、中国国内28の都市、6万カ所以上(2021年末現在) に点在する「豊e足食」自販機から、消費者に「ラスト10メートル」の小売りサービスを提供しています。こうした利便性に加え、人件費を負担することなく、初期費用や管理費ゼロで従業員やゲストにくつろぎのひと時を提供できることから、積極的に導入する企業や施設が増えています。

    「豊e足食」の自販機は初期費用・管理費ゼロで気軽に導入できるのが特徴。最短3日で販売機の設置及び食品の陳列を完了させることも可能。

     

    「豊e足食」にはスマートフォンで決済できる自動販売機と、顔認証でも利用できるAI搭載のスマート販売機の2種類があります。前者は主に公共の場所や屋外に設置され、利用者はスマートフォンまたは販売機のタッチパネルから商品を選び、スマートフォンで決済します。AI搭載のスマート販売機はオフィスやジムなど、特定の人が利用する場所に適しており、利用者はQRコードの読み取り、または顔認証(事前登録が必要)で商品を取り出し、扉を閉めるだけで決済が自動的に行われます。財布を持たず、スマートフォン一つで気軽に自販機を利用できるのは、キャッシュレス化が急速に進んでいる中国ならではのサービスと言えます。

     

    AI技術の活用により、各自販機を管理する“店長” (販売機管理員)は専用端末から陳列されている商品の情報(種類、数量、価格等)および販売状況を随時把握できることから、品薄状態の商品や売れ筋商品をタイムリーに補充できます。また、アルゴリズムの導入により、利用者の好みを正確に予測することもできます。この予測に基づいて、商品のキャンペーンを実施することも可能です。

     自販機の管理にあたる‟豊e店長”は専用端末から販売状況を確認し、タイムリーに商品を補充します。

     

    利用者にとって、「豊e足食」は小腹が空いた時や疲れた時のエネルギー補給ステーションと言えます。現在、300以上の食品メーカーとパートナーシップを結んでおり、各販売機は常時約40種類の人気商品を陳列しています。また、商品の入れ替えを毎週行うなど、利用者を飽きさせない工夫もしています。

    「豊e足食」は人気の軽食、スナック菓子、飲料など、随時30~40種類を販売しています。

     

    2022年2月8日、豊宜科技はシリーズAで3億元(約54億円)を調達したと発表し、同じくSFの関連会社である「明徳控股(Mingde Holding)」と並んで、ソフトバンク・ベンチャーズ・アジアが筆頭株主になりました。今後、「豊e足食」事業の拡大が一層加速されます。

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