【Japan Highlights】SFとケリーのリソース統合、日本のお客様にもメリット多く
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SFインターナショナル・ジャパンは親会社の順豊控股(SFホールディング)が香港の嘉里物流聯網(ケリー・ロジスティクス・ネットワーク)を買収したことに伴い、ケリーロジスティクスジャパンとして体制を一新しました。同社の代表取締役に就任した姚萌から、新体制について紹介させていただきます。
ケリーロジスティクスジャパン代表取締役社長 姚萌
―― なぜSFインターナショナル・ジャパンからケリーロジスティクスジャパンになったのですか。
SFインターナショナル・ジャパンの親会社であるSFホールディングが昨年9月、ケリーの株式の過半数を取得したことに伴い、両社の海外拠点も再編されることとなりました。日本事業は今年5月にケリーロジスティクスジャパン(以下ケリー・ジャパン)としてスタートを切りました。
SFは中国の宅配業界ではトップ企業ですが、海外での知名度はまだ高くありません。国際事業を強化するため、アジアの国際物流を手掛け、グローバルロジスティクスのノウハウを豊富に持つケリーをM&Aしたのです。ケリーはアジアでナンバーワン、グローバルでもトップ10に入る有力フォワーダーであり、その知名度とネットワークを生かし、中国以外の国ではケリーの現地法人がクーリエを含めたSFの国際業務を担当することとなります。
―― 日本の体制はどう変わったのでしょうか。
ケリーは2008年に日本法人ケリー・ジャパンを設立しましたが、2016年にケリーと関西の老舗物流企業KSAインターナショナルが合弁で「Kerry KSAインターナショナル(後にKerry KSAロジスティクスジャパンに名称変更)」を立ち上げた後は、Kerry KSAがケリーの日本関連のオペレーションを手掛けてきました。
今回の親会社のM&Aによって、ケリー・ジャパンはKerry KSAを完全子会社に収め、KEXエクスプレスジャパンと名称を変更しました。
SFインターナショナル・ジャパンは法人としては存続しますが、国際クーリエの全業務をケリー・ジャパンに委託し、ケリー・ジャパンが国際クーリエを展開するライセンスを取得した後にSFジャパンの全社員が同社に転籍します。
―― お客様にとって変化はありますか。
ケリー・ジャパンがケリーの国際フォワーディングとSFの国際クーリエの両方を扱う体制となるので、それぞれのブランドは存続しますが、お客様にとってはいずれもケリー・ジャパンとの契約になります。
―― 今回の体制変更をトップとしてどう受け止めていますか。
親会社のM&Aは正直驚きました。同時に、日本でのビジネスを考えるとメリットが大きく、歓迎すべき変化でした。
SFインターナショナル・ジャパンは日本―中国間の国際クーリエを中心に取り扱ってきました。コロナ禍でもSFは配送網を維持してきたため、認知度が大きく上昇し、日中越境ECビジネスのボリュームも拡大しました。一方で、日中間以外の国際クーリエも扱っていることはあまり知られていません。東南アジアに強いケリーのブランド力とネットワークを生かし、中国だけでなく、アジアにビジネスを広げる推進力になります。
また、SFのお客様に国際フォワーディング、ケリーのお客様に国際クーリエのソリューションを提供できるようになります。今後はSFの営業チームがケリーのソリューションの営業も行い、フォワーディングビジネスを積極的に拡大していきます。
私がSFインターナショナル・ジャパンのゼネラルマネージャーに就任した2019年時は、業務のほとんどが中小企業のお客様向けの日中間国際クーリエでした。その後、個人のお客様やECのお客様が増えてプロダクトのポートフォリオが広がり、売り上げも順調に増加しています。
ケリーとSFの統合によって、「1+1=2」にとどまらないレベルに市場競争力を高められるよう、それぞれの強みを生かした営業戦略も考えていきたいです。